定義

(ring)とは,以下の3つのデータからなる.

  • 集合𝑅
  • と呼ばれる𝑅上の2項演算 + : 𝑅 × 𝑅 𝑅
  • と呼ばれる𝑅上の2項演算 : 𝑅 × 𝑅 𝑅

これらは以下の条件を満たす.

  • 𝑅+を積とする可換群.
  • 𝑅を積とするモノイド
  • 𝑎 , 𝑏 , 𝑐 𝑅 , { 𝑎 ( 𝑏 + 𝑐 ) = 𝑎 𝑏 + 𝑎 𝑐 ( 𝑎 + 𝑏 ) 𝑐 = 𝑎 𝑐 + 𝑏 𝑐

準同型

𝑅 , 𝑅 を与える.

写像 𝑓 : 𝑅 𝑅 が以下を満たすとき,(環)準同型((ring) homomorphism)と呼ぶ.

  • 𝑎 , 𝑏 𝑅 , 𝑓 ( 𝑎 + 𝑏 ) = 𝑓 ( 𝑎 ) + 𝑓 ( 𝑏 )
  • 𝑎 , 𝑏 𝑅 , 𝑓 ( 𝑎 𝑏 ) = 𝑓 ( 𝑎 ) 𝑓 ( 𝑏 )
  • 乗法単位元 1 𝑅 𝑅 , 1 𝑅 𝑅 に対して, 𝑓 ( 1 𝑅 ) = 1 𝑅

性質

部分環

𝑅を与える.

部分集合𝑆𝑅𝑅と同じ積で環となる,つまり以下を満たすとき,部分環(subring)と呼ぶ.

  • +に関して𝑆𝑅の部分(可換)群.つまり以下を満たす.
    • 𝑆 + 𝑆 𝑆
    • 0 𝑅 𝑆
    • 𝑆 = 𝑆
  • に関して𝑆𝑅部分モノイド.つまり以下を満たす.
    • 𝑆 𝑆 𝑆
    • 1 𝑅 𝑆

イデアル

𝑅と,和+に関する𝑅の部分(可換)群𝐼を与える.つまり,𝐼は以下を満たす.

  • 𝐼 + 𝐼 𝐼
  • 0 𝑅 𝐼
  • 𝑅 = 𝑅

上に加えて,以下を満たすものを左イデアル(left ideal)と呼ぶ. 𝑅 𝐼 𝐼

同様に,以下を満たすものを右イデアル(right ideal)と呼ぶ. 𝐼 𝑅 𝐼

左イデアルかつ右イデアルであるものを(両側)イデアル((two–sided) ideal)と呼ぶ.

イデアルの正規対象であり,これが導く同値関係は 𝑎 𝐼 𝑏 𝑏 𝑎 𝐼

商環

𝑅イデアル𝐼を与える.

商可換群𝑅𝐼は,自然な積 ( 𝑎 + 𝐼 ) ( 𝑏 + 𝐼 ) = 𝑎 𝑏 + 𝐼 に関してをなす.これを商環(quotient ring)と呼ぶ.

同型定理

𝑅,𝑆環準同型 𝑓 : 𝑅 𝑆 を与えると,以下が成り立つ.

  • 𝑓の核 𝑓 1 ( 0 𝑆 ) 𝑅イデアル
  • 𝑓の像 𝑓 ( 𝑅 ) 𝑅部分環
  • 𝑓の像 𝑓 ( 𝑅 ) 商環 𝑅 𝑓 1 ( 0 𝑆 ) に同型